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2013/09/24

ガブリエルの冒険・外伝(ピエモンテ編)

今日のガブリエルの冒険ですが、
天使のガブリエルは今回出てきません(笑)

今回の主人公は、日本人の太郎と
ちょっと生意気なイタリア人の女の子のアンナが主役です

舞台は、ピエモンテ州です
ちょうど、この時期に旬な物を題材にしました

今回も、写真を沢山載せているので、
小説も写真も楽しんでくださいね




ジリリリリ!

「ふぁい?
もしもし、じゃ無かった
Pronto(プロント)?」

「プロント!
太郎!
私よ!
アンナよ!
これから出かける準備をして、
30分後にミラノ中央駅に集合よ!」

「えっ?
何だって?」

「何を寝ぼけているの?
30分後に出かけるからね」

「そっちこそ、今何時と思っているの?
えっと、時計、時計っと
まだ、朝の6時じゃないか!
今日は休みだから、ゆっくり休もうと思っていたのに・・」

「早くしないと、電車に間に合わないわよ
じゃ、そういうことだから、頼んだわよ!」

ガシャン!

「プ、プ、プ、プ・・・」

「頼んだわよって、
急に何を言っているんだろう?
それに、こんな朝早くから出かけるなんて
いったい何処に行くつもりなんだろう?

でも、行かないと、また後からうるさいからなぁ~
仕方無い!
準備して行くか!
しかし、30分後って間に合うかな?」


~~~~~~~~~~~~~~~

「まったく、太郎がぐずぐずしているから、
電車に乗り遅れそうだったじゃない!」

「仕方無いだろう
いきなり、朝から30分で準備しろって言われても無理だよ
でも、結局、電車が遅れたから
予定の電車には乗れたじゃないか」

「まったく、電車が遅れるなんて、
やっぱり、イタリアの公共機関はダメね」

「ところで、アンナ?
こんな朝から何処に行くつもりなの?」

「それは、黒いダイヤを探しに行くのよ!」

「黒いダイヤ?」

「そうよ、黒いダイヤ!
今から行く、ピエモンテ州にあるんだって」

「でも、ダイヤモンドなんて
簡単に手に入るわけないだろう
それに、買うにしても、かなり値段が高いんじゃないの?
まぁ、アンナの家はお金持ちだから関係無いかもしれないけど」

「太郎!何を言っているの?
ダイヤモンドじゃ無いわよ
それに、今回は、私のお小遣いで買い物するから、
そんなに高い物は買えないわよ」

「ダイヤモンドじゃ無いって!
それじゃ、黒いダイヤって何なの?」

「それは、
黒トリュフよ
太郎は、世界3大珍味って知ってる?
その内の一つがトリュフなのよ」

「知ってるよ
トリュフと、フォワグラ
そして、キャビアだよね
でも、何でわざわざ、朝早くから、ピエモンテ州にまで行くの?
アンナの住んでいるボローニャでも買えるんじゃないの?」

「それはね、
私が、トリュフを見つけて掘り出すからよ!」

「え~~っ!」

電車は、太郎とアンナが話しているうちに、
ピエモンテ州の州都であるトリノに到着しました

トリノは、工業地域として有名な町で
イタリアの車のフィアットの工場がある事でも知られています

トリノの写真
トリノ (トリップアドバイザー提供)

「やっと、トリノに着いたね
ここから、今度は何処に行くの?
こんな街中には、トリュフが埋まっているはずは無いもんね」

「次は、ここから、アルバという街に行くのよ
そのアルバって町は、この時期にトリュフ祭りをするくらい
トリュフで有名な町なんだって
この間、テレビで言っていたわ」

「えっ?
もしかして、テレビで見たからトリュフを探そうって思ったわけじゃ無いよね?」

「テレビでは、簡単に探していたわよ
さぁ、早くしないと、アルバ行きのバスに乗り遅れちゃうわよ」

結局、アンナに言われるままに、
太郎は、アルバにトリュフを探しに行く事になってしましました

Cattedrale di San Lorenzoの写真
Cattedrale di San Lorenzo (トリップアドバイザー提供)

アルバに着いたはいいけど、
アンナは無計画にやって来たので、
2人は何処に行けばトリュフの情報が手に入るのか全然分からないまま、
困っていました

「ねぇ、アンナ?
トリュフって食べ物でしょう?」

「何を言っているの、当たり前でしょう!
だから、3大珍味ってさっきから言っているじゃない!」

「うん
だからね
レストランに行って話を聞いてみようよ
だって、朝から何にも食べて無いから、
僕はお腹が空いて仕方が無いんだよ
きっと、レストランに行ったらトリュフが何処で取れるか教えてもらえるんじゃないかな?」

アンナは、太郎の意見に賛成して、
近くにあったレストランに言って見ました

とにかく、お腹が空いていた太郎は、
トリュフの事を聞く前に、
料理を注文して食べる事を優先しました

Quanto Bastaの写真
Quanto Basta (トリップアドバイザー提供)

「これって、ズッキーニの花を使った料理ね
花の中に、色んな具を詰めて食べるのが一般的なのよ
盛り付けも綺麗でステキね
次の料理は何かしら?」

Quanto Bastaの写真
Quanto Basta (トリップアドバイザー提供)

「これは何だろうね?
マカロニの大きいのは、リガトーニって言うんだっけ?
上に乗っているのは何かな?
良くわかんないけど、美味しいからOKだね
うわぁ~!
最後はデザートだよ
アンナ!」

Quanto Bastaの写真
Quanto Basta (トリップアドバイザー提供)

「マカロンを使ったデザートみたいね
挟んであるクリームは、ベリー系のクリームを使っているのかしら?
やっぱり、デザートも盛り付けが大事よね」

2人は、料理に満足しました
さらに、サービスの人にトリュフの事を聞きましたが、
何処でトリュフが取れるのかまでは教えてもらえませんでした
代わりに、トリュフを取っている人を紹介してくれる事になりました


AlbawayTourの写真
AlbawayTour (トリップアドバイザー提供)

ちょっと!
太郎待ちなさいよ!
何で、トリュフを取っている人って
こんな不便な所に住んでいるのかしら?」

「きっと、この近くでトリュフが取れるからだよ
あっ!
アンナ、見てよ
あそこにある家がそうじゃないかな?

ピエモンテの写真
ピエモンテ (トリップアドバイザー提供)

「こんにちは」

「何だい君達は?」

「すいません
僕達、トリュフを自分の手で取ってみたいんですが、
トリュフのある場所を教えてもらえませんか?」

「それは、ダメだ!
トリュフが取れる場所は、
奥さんや子供にも教えちゃダメだという、昔からの決まりなんじゃ
トリュフのある場所は教える事は出来ん!
さぁ、帰った帰った!」

「おじさん
そこを何とかなりませんか?」

「そうよ
たかが、トリュフの場所くらい教えてくれてもいいじゃ無い」

「たかが、じゃと!
わしは、このトリュフで生活しておるんじゃ
もし、お前さんが、他の者に場所を教えてしまうと
わしは、この先暮らしていけなくなるんじゃぞ」

「すいません
でも、僕達、ボローニャとミラノからわざわざ来たんです
お願いします
ほら、アンナも一緒に頼んでよ」

「仕方無いわね
おじさん、お願いだから、1個だけでいいから
自分で掘ってみたいの」

「しかし、1個だけでも、場所を教える事になるしなぁ~」

すると、突然近くに居た犬が吠え出しました

ワン!ワン!

犬は、何とおじさんに向けて吠えていました

「これ、ビアンカ!
いったいどうしたんだ?
いつもは、そんなに吠えないのに」

すると、今度は、犬がアンナのズボンを引っ張って
山の中につれて行こうとしました

「ビアンカ?
いったいどうしたんじゃ?」

「あの?
おじさん
きっと、トリュフを見つけに連れて行ってくれるんじゃないですか?」

「う~ん?
ビアンカ、そうなのか?
仕方無い
この商売は、相棒の犬が居ないと仕事にならないんじゃ
ビアンカが連れて行きたいというのなら
分かった、1個だけ特別にトリュフを取らせてあげよう」

「ほんとですか!
ありがとうございます」

太郎がお礼を言っている間に、
アンナと犬のビアンカは既に山の中に入る直前でした

太郎とアンナ、そしておじさんと犬のビアンカはドンドン山の中に入って行きました

「ところで、おじさん
トリュフを探すのは、豚って聞いていたんですが、
犬が探してくれるんですね」

「昔は豚を使っていたんだけどな
豚は、トリュフを見つけると、自分で食べてしまうから、
頭の良い、犬を使うようになったんだよ
小さい頃から、トリュフの匂いをかがせて
トリュフに反応するように育てるんだよ」

しばらく歩いていると
急にビアンカが吠え出しました

ワン!ワン!

「おっ、ここか?」

AlbawayTourの写真
AlbawayTour (トリップアドバイザー提供)

「ココみたいだな
よし、それじゃ、ココを掘ってみな!」

「ホラ、アンナ
早く掘ってみてよ」

アンナ地面を掘ると、
小さい、黒い物体が出てきました

「あら?
これかしら?」

「ちょっと見せてみな!」

AlbawayTourの写真
AlbawayTour (トリップアドバイザー提供)

「おっ!
これは良いトリュフじゃないか
ほら!約束通り
これはおじょうちゃんの分だ
それと、絶対に他の人間にこの場所の事をしゃべっちゃダメだからな
今回は、このビアンカに感謝するんだな
さぁ、急いで山を降りないと日が暮れてしまうぞ!」

ようやく、目的の物を見つけた
太郎とアンナは、山を降りて
おじさんとビアンカにお礼を言って
急いで帰りのバスと電車を乗り継いでミラノに帰って着ました

「太郎!
これから、私の家でパーティをするから来なさいよ」

「これから、ボローニャまで行くの?
でも、せっかくのトリュフは食べてみたいからなぁ~
うん、分かったそれじゃ、ボローニャまで行こう!」

ボローニャのアンナの家に着くと
何故か既にパーティーが始まっていました

「アンナお帰りなさい
何処に行っていたの?」

迎えてくれたのは、アンナのお母さんでした

「Manma!  Buon conpleanno!
お母さん!誕生日おめでとう!
私が取って来た、トリュフよ」

「まぁ、ありがとう
わざわざ、私の為にとって来てくれたの?」

「だって、この間、テレビを見てたら食べてみたいって言っていたから」

「ありがとう、アンナ
それに、そちらの男の子もありがとう」

「いえ
僕は特に何にもしてないですけど」

「沢山美味しい料理を作っているから、食べていってね
それに、このトリュフも早速料理してもらいましょう!」

アンナのお母さんの誕生日パーティーは
かなり豪華でした
太郎は、アンナが取って来たトリュフのほかにも
沢山のご馳走をたべました

「ちょっと、太郎!」

「アンナ
どうしたのそんなに慌てて?」

「さっき、トリュフ料理を作ったシェフに聞いたんだけど、
黒トリュフより、高価な白いトリュフもあるらしいのよ
来年は、その白トリュフを取りに行きましょう!」

「え~~~っ!」

おわり




10 件のコメント:

  1. こんばんはぁ~~♪
    面白かった!!
    ビアンカ 賢いね!! うちの犬どもには無理だよ。
    今度は白トリュフだね!!
    ボローニャってさ、食パン有名だよね。 何度か食べた事あるけど。
    あれ、イタリアだったのかぁ。
    ベリーのケーキ すごい美味しそう!!
    ベリーに今、ハマってるんだぁ~~

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    1. らくこ♪さん
      え~っ!今度は白トリュフですか?
      太郎じゃないけど勘弁してください(笑)
      ボローニャで食パン?
      あんまり聞いた事無いですよ
      でも、ボローニャは美食の町なので、
      美味しい料理が沢山あります

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  2. おはようございます。

    アンナが人気ですかね。
    ガブリエルから、まさかの主人公の座をゲット!?w( ̄o ̄)w オオー!

    今回もアンナの暴走振りが面白かったです。
    そして、最後は、母のプレゼントとは、アンナ、ツンデレキャラかな。
    後、ビアンカの名前にひかれたな。ドラクエⅤを思い出す。

    イタリアに限らず、外国の電車って結構時間にルーズなのですよね。
    以前、TVでやっていました。
    だから、日本に来た外国人は、日本の電車がすごいというらしいです。

    トリュフは、豚とか犬とか使って探すのですね。
    それは、初めて知りました。
    ちなみに、食べたことないです。

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    1. ランスロットさん
      アンナもなかなか良いキャラになって来ましたよね(笑)
      ビアンカって名前は、色から取ったんです
      イタリア語で「白」って意味なんですよ
      Bianco(ビアンコ)本当はビアンコなんですが、
      女性名詞になるとBianca(ビアンカ)になるんです
      日本の犬の名前の「しろ」と一緒です(笑)

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    2. おはようございます。

      ビアンカって白って意味なんですね。
      すみません、ゲームメインな頭なもので。

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    3. ランスロットさん
      自分もドラクエの名前が浮びましたよ(笑)
      でも、イタリアで犬の名前としてはメジャーらしいので、
      ビアンカって名前にしました

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  3. てっきり豚で探すと思ってました~。
    今はワンコが探してくれるんですね。
    ズッキーニの花に詰め物をして揚げてる料理を見たことあります。
    私ズッキーニ大好きなんですよね。
    お花は食べたことないんですけど。

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    1. 心姫さん
      豚は見つけたトリュフを食べてしまうんです
      なので、今は犬が探してくれるみたいですよ
      犬は賢いので、見つけても食べないみたいですからね(笑)

      ズッキーニの花って、すぐに悪くなって痛んでしまうみたいなんです
      なので、あんまり食べれるレストランって少ないみたいですよ

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  4. しばいつん2013年9月25日 23:27

    こんばんは。
    結構長かったね。
    日本でいえば松茸のように場所を知られちゃ困りますからね。
    犬なら嗅覚も優れているし、賢いし、主人の言うこと聞くしね。

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    1. しばいつんさん
      ちょっと長すぎましたね
      半分にして、2回に分けても良かったんですが、
      半分にすると、ちょっと短いんですよね
      なので、長編というか1回で終わらせてしまいました

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