2022/07/17

刑事、ワタやんの事件簿

今回の話ですが
怪盗Rを追いかけている
ワタやんさんを主役にして書いてみました

こちらも
遡る事、数年前の怪盗Rさんの最初の事件がきっかけになっています
(数年前だと、前回のちょっと前って書いたのが矛盾しちゃいますね 笑)

はたして、ワタやんは怪盗Rを捕まえる事が出来るのか?
それでは、どうぞ!

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この作品はフィクションです。

実在の人物、団体、事件などにはいっさい
関係ありません


ここはとある警察署です
毎日、次々と事件が舞い込んで来ますが……

「おい、ワタやん!
この前の調書はまだなのか?」

「先輩、すいません
ちょっと気になる所があって
もう少しかかりそうです」

ワタやんは
この警察署に入ったばかりの
新米刑事として働いていました

「調書にそんなに時間かけたら部長から大目玉を食らうぞ
今、書いているのってアレだろ
この前の悪徳製菓の事件だろ
社長が金儲けのために起こした独占禁止法違反だったな
何が、そんなに気になるんだ」

「それが、警察が踏み込んだ時に他にも人が居たみたいなんですよね
裏口から出ていく人影を見たかもしれない
って話も聞きましたし」

「見たかもしれない?
ってだけだろ
事件は次々に起こっているんだから
部長に怒られる前に提出するんだぞ」

ビー、ビー、ビー
緊急通報
3丁目の“ワルワル製菓店”で盗難事件が発生
捜査員は、直ちに向かって下さい

「ほら、ワタやん
また、事件だぞ
急いで現場に向かうんだ」

「ハイ!
しかし、またお菓子屋さんで事件ですね
ここ最近というか
悪徳製菓の事件から急にお菓子関連の事件が増えましたね」

「確かに
でも、お菓子なんて盗んでも仕方がなさそうだけどな
俺だったら宝石とか金塊を盗むけどな」

「そこも気になっているんですよ
1丁目の事件では
お菓子が盗まれたお店のレジには
売上金が残されていたんですよ
現金には目もくれず
お菓子だけ盗むってそんな人間いるんですかね?」

「まぁ、少なくとも俺には分かんねぇな
とにかく、俺達は現場を調べて
上に報告するだけの仕事だよ」

数分後
先輩とワタやんさんは
現場の3丁目の“ワルワル製菓店”に到着しました

「現場はここかぁ
この製菓店は良い話は聞かねぇな」

「先輩!
それってどういう事ですか?」

「俺もカミさんに聞いた話だから
詳しくは分かんないんだが
国産の材料を使ってる
とか言いながら
実際は海外の粗悪品でお菓子を作ってたみたいだぜ
お菓子の値段が安いから
店の方は人気があって儲けていたみたいだけどな」

「やっぱり
ここもそうかぁ
先週の1丁目の店も
裏では色々とやってたみたいですよ
きっとここに盗みに入ったヤツは
先週の事件と同一犯ですよ」

「おい!ワタやん!
現場を調べる時は
先入観を持つんじゃねぇぞ
フラットな目で調べるんだ
そうしないと、大事な証拠を見逃しちまうぞ」

先輩とワタやんは
事件が起きたお店を隅から隅まで調べました

「先輩!
こんな所に他店のレシートが落ちてます
犯人が落とした物かもしれませんよ」

「う~ん
これだけじゃ、なんとも言えないなぁ
とりあえず、上司に報告しておけ」

ワタやんが見つけた
レシート以外には特に何も見つける事は出来ずに
2人は捜査本部に戻り
結果を報告しました

「部長!
きっと、このレシートは
犯人が落とした物に違いないです
私に調査をさせて下さい」

「おいおいワタやん
現場にレシートが落ちていたからって
犯人の物とは限らないじゃないか
店の従業員が落としたんじゃないか?」

「いえ、部長!
その辺も確認しています
お店の営業が終わったら
掃除をするらしいんですが
その時には落ちていなかったそうです
明らかに、犯人か、もしくはそこに繋がる人間が落としたと思われます」

「もし、そうだとしても
そんなレシートから何が分かる
お前は、従業員の人間関係を調べろ」

「し、しかし、部長!
僕の刑事のカンが……」

「何が刑事のカンだ
ひよっこのクセしやがって
いいか!
お前は言われた通りの仕事をしていれば良いんだ」

「ぶ、部長!
僕にレシートを調べさせて……」

部長とワタやんが
言い争っていると
そこに先輩がやって来て
ワタやんの腕をつかみ
奥に部屋に連れて行きました

「おい、ワタやん
こっちに来るんだ」

「先輩、で、でも……」

「いいから来い!
……
いいか、ワタやん
刑事といえど
俺たちは上司命令には逆らえないんだよ
どうしても気になる事があるんだったら
まずは、与えられた仕事をキチンとやって
仕事以外の自分の休日とかを使って捜査するしかないんだ」

すぐには納得できないワタやんでしたが
先輩の言うとおり
とりあえず、部長命令の人間関係の調査に向かいました

そして、ようやく迎えたワタやんの休日です
ワタやんは、現場に落ちていたレシートを発行したお店に向かいました

「こんにちは、警察のものですが
2〜3、お伺いたいことがあるんです
まず、このレシートはこちらのお店の物ですよね
レシートには
○月○日の△時△分にお買い物された記載があるんですが
どんなお客さんが買ったか分かりますか?」

「時間までは確かじゃないですが
レシートに書かれてる
特別スイーツは
数量限定の商品だったので
買われたお客様はなんとなく覚えてます
おそらく、常連さんの主婦の方か
近所のピアノの先生か
隣のビルのOLさんか……
だったと思うんですが
あまり確かじゃないですね
捜査に協力出来なくてごめんなさい
ところで、これは何を調べてらっしゃるの?
もしかして、殺人事件かしら?
ねぇ、ねぇ、誰が怪しいの?」

これ以上、情報を聞くことができなさそうなので
しつこく迫るおばさんにお礼を言って
お菓子屋を利用した3人のアリバイを調べる事にしました

隣のビルのOLは
事件が起きた日は
ずっと仕事をしていた事が
同僚の証言から判明して
常連の主婦は
ママ友と食事をしていた事が分かりました
現時点で、アリバイが無いのは
ピアノの先生ですが
これだけで犯人と断定することが出来ないので
ワタやんはピアノの先生をマークすることにしました

すると、ワタやんが
ピアノの先生をマークしてから数週間
怪盗Rの犯行がピタッと止まりました

「部長!
絶対に、ピアノの先生が
怪盗Rに違いありません
どうか、逮捕の許可をお願いします」

「駄目だ!
現段階で怪しいと言うだけでは逮捕は無理だ
なにか、決定的な証拠を見つけないと逮捕はできん
そもそも、お前の
ピアノの先生=怪盗R
という説も怪しい感じだしな」

「しかし、部長!
マークをしている間は
怪盗Rが現れないのが何よりの証拠ですよ
なので、ぜひ逮捕の許可を……」

部長とワタやんが話をしていると
そこに、先輩の刑事が飛び込んで来ました

「部長!大変です!
か、か、かい、怪盗Rから
犯行の予告状が届きました!」

なんと、
今夜、WARUカフェにデザートを盗みに入るという
怪盗Rからの予告状でした

WARUカフェは
手作りスイーツと言いながら
工場の機械で作ったスイーツを販売していました

ワタやんは、
この予告状に違和感を感じました

「部長!
このタイミングで
今まで出した事がない
予告状を出すのは変です
きっと、怪盗Rの作戦ですよ
私をWARUカフェの警護に当たらせて
マークが外れた事を確認して犯行に及ぶはずです
逆に、仮の姿のピアノの先生をマークしたままにすると
都合が悪くなったとか言って
今夜の犯行を中止するはずです
どうか、このままマークを続けさせて下さい」

部長はしばらく考えて
ワタやんに言いました

「よし、分かった
お前は、引き続きピアノの先生をマークしろ
ただし、今回の事件で
ピアノの先生が怪盗Rではないと判明した場合は、ピアノの先生はシロと判断し
先生のマークはこれ以上必要ないと判断する
お前の休日を使って付け回すのも禁止だ
これは、部長命令だ
いいか、分かったな」

ワタやんは
今回の事件で怪盗Rの正体を掴むことができなかったとしても
ピアノの先生からマークを外すという意見には納得できませんでしたが
部長の言うことも一理あるので
今回の事件次第で
ピアノの先生を追い回すのを止める事にしました
しかし、その前に
今夜の事件でピアノの先生が何かしらの動きを見せる事を信じていました

そして、怪盗Rが予告状に書いた
予告時間が迫ってきました

ワタやんは
予告されたWARUカフェとは遠く離た
イタリアンレストランに一人座っていました
というのも
ここに、ピアノの先生が友達数人で食事に来ていたからです

男性が一人で
イタリアンレストランという変な感じになってしまいましたが
外から見張るだけでは
ピアノの先生の細かい動きをチェックできない為
仕方なく一人で食事を取っていました

そして、犯行の予告時間が訪れました
ピアノの先生には怪しい動きはありません
普通に友達と女子会を楽しんでいる感じでした

急に、ワタやんの携帯が鳴り出しました
先輩からの着信です
現場に動きがあったので連絡して来てくれたのでしょう

ワタやんは
この時、勝ちを確信しました
きっと、怪盗Rが予告を変更すると言い出したと思いました

「はい、ワタやんです
先輩、現場に動きがあったんですよね?
……
えっ?
そ、そんな馬鹿な……」

先輩からの連絡は
ワタやんの予想を裏返す物でした
なんと、怪盗Rが現場に現れて
まんまとお菓子を盗んで行ったそうです
遠くからですが
先輩を始め、多くの捜査員が怪盗Rの姿を確認したそうです

ワタやんの目の前には
楽しそうに笑っている
ピアノの先生の姿がありました

………
………
………
数時間後
ワタやんは現場のWARUカフェにいました
今回は怪盗Rにしてやられた形になりましたが
次こそは、必ず逮捕して
正体を暴いてやると誓ったワタやんでした

しかし、ここから怪盗Rとワタやんの戦いはずっと続いて行くのでした

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残念ながら、今回は怪盗Rを捕まえる事が出来なかったみたいですね(笑)

はたして、怪盗Rさんの正体とは?
そして、本当にピアノの先生は関係なかったのか?
これまた、続きを考えているので
次回にご期待ください(笑)

10 件のコメント:

Rさんと思われるお姉さん さんのコメント...

どんくさ!
Rさん自分でケーキ買いに行くなんて、ガブがいるでしょうに
それに、レシートはさっさと捨てないと。。

この頃は修行が足らなかったのね

Rさん、分身の術使えたっけ?笑

ワタやん刑事になんか捕まらないよ~だ

のんびり屋さん さんのコメント...

う~む。
やはり怪盗Rさんは、物語であっても
自分の素性に関わるブログには
すぐに飛んでくるようですね~ ( *´艸`)

ワタやん刑事との駆け引き 楽しみにしてます。(^^♪

追伸:
祖父母の好みは孫に隔世遺伝すると聞きますが、
もしかしたら、怪盗Rさんのお孫ちゃんが
カナダからWARUカフェのお菓子を狙って・・・?
(このコメントはフィクションです(笑))

yume さんのコメント...

ワタやん 刑事さん&怪盗Rさんの
今後の 展開も 楽しみですね(*^^*)
ガブさん 物語シリーズ いいですね👏🏻✨👏🏻✨

心姫 さんのコメント...

2人の因縁は最初からだったんですね。
良いライバルになりそうな予感が、この頃からありますね。
長い付き合いになりそうな2人。

蓮見 さんのコメント...

縁する人って
はじめからピンとくるんでしょうか?

してみると
ガブさんも(Rさんが)ピンときてますね♪

Gabriel. さんのコメント...

Rさんと思われるお姉さん
そうですよね、レシートを落とす犯行現場に落とすなんて信じられないですよね
ところで、落としたのは本当にRさんだったのかな?
もちろん、今回は分身の術ではありません
と、言う事はどうなっているのでしょうか?(笑)

Gabriel. さんのコメント...

のんびり屋さん
ほんと、Rさんが飛んでくるスピードが早いですよね(笑)
お孫さんが...
って面白そうですが
さすがにもう少し大きくならないと無理そうですね(笑)

Gabriel. さんのコメント...

yumeさん
驚きのワタやんさんシリーズがこれから増えるかもしれません(笑)
でも、ワタやんさんが活躍するって事は
Rさんのピンチって事なので難しいですね(笑)

Gabriel. さんのコメント...

心姫さん
ルパン三世と銭形警部みたいな関係ですね(笑)
脇役というか
ライバルがいる方が話も盛り上がりますからね
これからも長い付き合いになりそうですね(笑)

Gabriel. さんのコメント...

蓮見さん
ちょっとした事で長い付き合いになったりしますからね
ガブとRさんの付き合いはこれからも長くなりそうです
もちろん、ワタやんさんはじめ
他の方々の活躍にも期待です(笑)