ワタやん隊長の事件簿④

さて、
①②③と三日間書いて来た
ワタやん隊長の事件簿ですが
いよいよ今回が最終話です

悪田が怪しいとにらんでいる
ワタやんさんですが
そのアリバイを崩すことは出来たのでしょうか
それとも、別の犯人がいるのか？

それでは、早速どうぞ！

あっ！
１，２，３と読んで無い方は
先にそっちを読んでくださいね（笑）





またまた、犯人を悪田だ！

というワタやんさんですが

今度は、悪田が言い逃れ出来ない様に

犯行の証拠を探すために走り回り

ガブには

ある事をお願いしていました

そして、

いよいよ二度目の

悪田との対決が訪れました

「おう！ おう！

また、あんた達かい！

今度、俺の前に現れたら名誉起訴で訴えるって言ったよな！」

「悪田さん

今度こそ、あなたが犯人だという証拠を探して来ました

もし、今回あなたに納得して頂く結果が出なければ

訴えて貰っても構いませんよ」

「おっ！

そこまでの覚悟があるなら話だけでも聞いてやるか！

だが、俺が犯人じゃ無いと分かった時は

どうなっても知らないからな！」

「よろしい

それでは、まずは、ガブ君

今回の事件を振り返って見ようかな？」

「は、はい！

では、改めて今回の事件について簡単に説明させて頂きます

事件が起きたのは

ジュエリーショップが閉まった夜でした

トイレの窓ガラスが割られ

奥の部屋の金庫に入っていた高級ダイヤモンドが盗まれました

その際、犯人がダイヤモンドを探す為に部屋中が荒らされていました」

「よろしい

で、この前も言いましたが

窓ガラスの割れ方を見て

犯人は、ジュエリーショップに関係がある人物と特定しました

そこで、犯人は悪田さん

貴方だと言う結果になったのです」

それまで黙っていた悪田でしたが、

自分の名前が出た事で我慢出来なくなってしまいました

「おう！

それは、この前聞いたばっかりじゃねえか！

おれは、その時間は仙台の旅館に居たんだよ

だから、俺がダイヤモンドを盗むのは無理だって言っただろう！」

「そうですね

悪田さん、あなたは仙台に居た

旅館の女将さんにも確認を取って

それは間違い無いと分かりました

しかし、ワテはどこか変だなぁと感じたので

無理を言って、駅の防犯カメラを見せて貰いました

しかし、駅は沢山の人が利用するので

悪田さん、貴方を特定するのは難しかったです」

「俺は、ちゃんと仙台に行ったんだ！

だから、駅のカメラにも映っているはずだ？

あんたの探し方が下手なんじゃないのかい？

犯行があった夜の11時頃に

仙台の駅に着いたのは間違い無いんだからな！」

「誰が、見つけられなかったって言いました？

探すのは難しかったですが、ちゃんと貴方を見つけましたよ

そう！ 犯行時刻の午後11時頃に！」

そのセリフを聞いた途端に、

悪田の表情が一変して弱気な感じになりました

「おや？

悪田さん、気が付かれたみたいですね

ワテとガブ君は、

貴方の前で一度も犯行時刻を話していませんよ

話をしたのは、お店が閉まった後

夜になってからとしか言っていません

どうして、正確な犯行時刻が分かったんですか？」

「えっ！ うっ！……

そ、そうだ！

何かでたまたま知ったんだよ

あのオーナーから聞いたんだっけかなぁ〜

だいたい、犯行時刻を知っていたからと言って

俺が犯人だという事でも無いんじゃないかな？」

「確かに、犯行時刻を知っていただけでは

証拠としてはまだダメかもしれません

しかし、これを見てもそんな事を言えますかね？

ガブ君、あれを」

「はい！」

ガブが取り出したのは、

時計に入っていた乾電池でした

「これは、犯行現場にあった時計に入っていた乾電池です

これが、貴方の犯行を物語ると同時に

トリックを暴く鍵となったのです」

悪田は、

何も言わずに

ワタやんさんの次の言葉を待っていました

「この乾電池ですが、

最初は、犯人が部屋を荒らした時に

時計が落下して飛び出したと考えていました

もちろん、落下のショックで飛び出す事もあると思いますが

実際はそうでは無かったのです

あの夜、お店が閉まりオーナーが帰ったのを見て

貴方は、オーナーから預かっていた

合鍵を使いお店に忍び込みました

そして、高級ダイヤモンドを盗み

自分のアリバイトリックの為に

時計に細工をしたんです！

まぁ、細工と言っても

時計の針を二時間ほど進めて

中の乾電池を抜いただけですけどね

その際に、時計だけが床に落ちていると不自然なので

部屋中を荒らしたって事ですね

ついつい、部屋が荒らされていたのは、

外部からの犯人という事を印象付ける為と思ったんですが

実は、別の意味もあったんですね

そして、ダイヤモンドを盗んだ後は、

普通に新幹線乗り仙台に行けば

アリバイトリックの完成です

おっと！

ちなみに、時計から乾電池を取り出す際に

手袋を外してしまいましたよね

手袋をしたままでは

なかなか電池が取り出しにくいんですよね

乾電池から貴方の指紋が出て来ましたよ

以上が貴方の犯行の全てです」

悪田は

ワタやんさんの話を聞き終わると

その場に崩れてしまい

「すまなかった……

全部俺がやった事だ

完璧なトリックだと思ったのに

まさか、解き明かす奴が出て来るとは

ダイヤモンドは奥の部屋に置いてある

あのオーナーに返しておいてくれ」

見事、
今回の事件を解決したワタやんさん
その名声は日本各地と言わず
世界中に広まって
世界一の名探偵と呼ばれる様になった・・
かどうかはさだかではありません（笑）

おわり

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以上
ワタやんさんの事件簿でした

今回のトリックはある意味単純だったので
正解者はかなり多かったかもしれませんね

ただ、単純なトリックだったので
それをごまかす為に時刻表とか用意したりして
書く方は大変でした（笑）

ちなみに、東京、仙台行きの新幹線の時刻表は
実際に存在している物です
（２０１５年３月現在）

名探偵Ｒさんに続く
推理物でしたが、
やっぱり、推理物は大変ですね
つじつまを合わせたり、
トリックを見破る為の複線を書いたり
さらに、混乱させる為の関係無い話を書いたり（笑）

今回は、基本的に悪田のみでしたが、
もっと登場人物を出したら
もっと難しくなったかもしれませんね
ただ、書く方が混乱してしまうので
それは無理でした

でも、推理物を読んだり書いたりするのは楽しいので
次回は、Ｒさんかワタやんさんか
それとも別の主人公になるのか分かりませんが
新たなトリックを見つけたりしたら
また書きたいと思います

４日間の長編でしたが、
読んでくださってありがとうございました