2015/08/28

ガブリエルの冒険(ミラノ万博)その3

いよいよ、今回がミラノ万博編の最終話です

前回までの話は
ミラノ万博編その2」をご覧ください

それでは、早速どうぞ!




太郎とアンナは
無事にコモ湖でチーズの聖人に会う事が出来て
悪魔退治の為にあるチーズを受け取りました

一方、天使のガブリエルは
イタリア中のチーズを全部消している悪魔を
ミラノのドゥーモ広場に封じ込める事に成功していました

しかし、悪魔を封じる為に
天使の力を使っていて
徐々にその力が無くなろうとしていました

「おい! ガブリエル!
もう、俺たちの力で悪魔を封じる事は無理だよ
ここは諦めて、別の方法を考えよう!」

「大丈夫だよ
もうすぐしたら
太郎とアンナが助けに来てくれるから
それまで、みんなで頑張ろう!」

「太郎とアンナだって!
それは、人間の事だろう
人間なんかに
悪魔を退治する力なんてあるはずが無いじゃないか!

「何度も言うけど大丈夫だよ!
二人ならきっと助けに来てくれる」

「どうして、そんなに人間の事を信じられるんだ!
もしかしたら、悪魔が怖くて逃げ出しているかもしれないよ」

「だって、
オイラ達は友達だから
きっと、二人とも助けに来てくれる
オイラは信じている!」

しかし、それから数時間が経っても
二人は戻って来ませんでした

「もうダメだ! ガブリエル!
このまま続けていたら
俺たち天使といっても死んでしまうぞ」

「もう少しだから、
もう少ししたら二人が来てくれるから
それまで頑張ろう!」

「お前さっきからそればっかりじゃ無いか!
もう、俺は無理だね
ここは、一旦退却して別の方法を考えるぜ!」

その天使が広場から飛び立とうとした瞬間でした
ドゥーモ広場に一台の赤い車が猛スピードで飛び込んで来ました

そして、車から出て来たのは
太郎とアンナでした

「間に合った!
大丈夫かい? ガブリエル!
悪魔を退治する為にチーズを持って来たよ」

「太郎、アンナ! ありがとう!
天使のみんな!
あと、数分でいいから頑張って悪魔を封じてくれ!
太郎!
オイラにそのチーズをくれ!」

太郎からチーズを受け取ったガブリエルは
悪魔に向かって飛んで行き
悪魔に向かってチーズを投げつけました

悪魔は飛んで来たチーズを避けようとせずに
そのまま食べて飲み込んでしまいました

それから、一瞬、時間が経って
みんなが何も起きないと思った瞬間でした
急に悪魔が苦しみ出しました

「グワァ〜
何だこれは〜
腹の中で何かが動いている〜
ウゲェ〜
気持ち悪い〜
もう、チーズなんて要らない〜」

そう言い残して
悪魔は消えさってしまいました

すると、遠くの方で歓声が上がった気がしました
そこに、ミラノ万博の周辺を見て回っていた天使がやって来て言いました

「たった今、ミラノ万博で消えていたチーズが
急に復活したんだ!
きっと、みんなのおかげだね
特に、ガブリエルの活躍は凄かったね」

「いや、オイラだけの活躍じゃないよ
一緒に悪魔を封じ込めていた天使のみんなや
わざわざ、コモ湖までチーズを取りに行ってくれた
太郎とアンナのおかげさ!
太郎、アンナそれと、他の天使のみんなもありがとう
ところで、さっき悪魔が食べたチーズって何だったの?」

「それは、サルデーニャ島に伝わるチーズで
カース・マルツゥって名前のチーズなんだよ
ほら、ここにまだ残っているから見てみる?」

太郎の手に中には
白いチーズがあって
表面には小さな穴が沢山開いてました

「ん?
これがそのチーズなの?
普通のチーズとほとんど変わらな……
ギャー!」

ガブリエルがチーズをよく見ると
穴の中で小さな虫がウネウネと動いていました

「これが、サルデーニャ島に伝わるチーズよ
凄いでしょう!
中にいるのはハエの幼虫ですって
でも、食べると美味しいらしいわよ」

そういうと
アンナは太郎からチーズを取って
ガブリエルの口の中に放り込みました

「うっ!」

「あっ! ガブリエル! 大丈夫?
アンナ!何するんだよ!
ガブリエル!
気分が悪いなら吐き出した方が良いよ」

「うっ!
うまい!
こんな美味しいチーズ
オイラ初めて食べたよ!」

「エーッ!
そうなの?」

「当たり前でしょう!
現地の人は、普段から食べているんだから
ちゃんとしたチーズなのよ
まぁ、私はいくら美味しくても食べないけどね」

「じゃ、じゃぁ
僕も食べてみようかな?」

太郎も一口食べてみました

「ウゲェ〜 不味い!」

「現地の人が食べているからと言って
美味しいとは限らないわよね
それに、チーズだから好き嫌いが激しい物も多いから」

「ウゲェ〜 そうなの〜
ウワァ〜 気持ち悪い〜」

それから、しばらくは
太郎はチーズを見るのも嫌になったそうでした

おわり

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

いかがでしたか?
ミラノ万博編って言いながら
万博が登場したのは最初だけでしたけど(笑)

ちなみに、お話はフィクションですが
登場した聖人やチーズは実際に存在する物です

聖人については、少し面白い逸話があるので
今度、改めて記事にして紹介したいと思います

チーズの「カース・マルツゥ」ですが
以前、テレビでも紹介されていたんですが
本当に虫が入っているチーズです

なんか、虫から分泌される液が
チーズの発酵を促して美味しくなるらしいですよ

ちなみに、中に入っている虫は
食べる時に跳ねて目に入る危険もあったりするので
取り除いて食べる人がほとんどらしいですが
中には変わった人も居て
虫ごと食べる人もいるらしいです(笑)

虫が入っているので
日本への輸入とかは出来ないはずなので
食べたかったらイタリアはサルデーニャ島に行くしか食べる方法はありません

自分は、これまでフレッシュチーズはもちろん
白カビのチーズ、青カビのチーズ、羊のチーズなど
癖があるチーズも食べてきましたが、
さすがに、これだけは食べる事は出来ないと思います(笑)






6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

私も絶対たべれない^^;
面白かったよ〜このお話

R

Gabriel. さんのコメント...

Rさん
今回はかなりの自信作なんです(笑)
やっぱり、虫が入ったチーズって抵抗ありますよね
でも、おかげで悪魔を退治する事が出来たので良かったです(笑)

蓮見 さんのコメント...

虫の入ったチーズ。。。
絶対、無理っ
でも面白かったわ~
よくこんなお話しを考えましたね!★5つ!

心姫 さんのコメント...

虫入りチーズ・・・。
チーズは大好きだけど、食べる勇気ない~。
虫を取り除いてくれていて、
元は虫が入ってた、ってことを知らなければ食べれるかも・・・。
今回もみんな大活躍でしたね~。

Gabriel. さんのコメント...

蓮見さん
やった~、★5も貰ってしまいました(笑)
今回はチーズを題材にしたら
上手く話しを進める事が出来ました
次回はいつになるか分かりませんが
待っていてくださいね

Gabriel. さんのコメント...

心姫さん
確かに、虫を取り除てくれたら大丈夫かな?
ちょっと穴の形が変なチーズかなぁ~って感じでしょうが
「実はこれは・・・」
って後から言われるのも嫌ですけどね(笑)