Ｒさんのバレンタインデー

今日はバレンタインデーという事で、
怪盗Ｒさんも張り切っているみたいです

はたして、Ｒさんは誰にチョコを渡すんでしょうかね？

それでは、早速どうぞ！

この作品はフィクションです。

実在の人物、団体、事件などにはいっさい

関係ありません

さぁ！
今年もこの季節がやってきたわね
みんな！チョコを盗みに行くわよ」

「ところで、Ｒさん
僕達にチョコのプレゼントはあるんですか？」

「だから、今からそれを盗みに行くんじゃない！
私の分とあなた達の義理チョコをいただいてきましょう」

「僕達は義理チョコなんですね
しかも、自分達の分を盗むなんて
あんまり、意味が無いような・・・」

「グダグダ言ってないで
準備をしなさい！」

怪盗Ｒさんが、チョコを狙っているという話は、

こちらの捕まえ隊事務所にも届きました

「よーし！

今日こそ怪盗Ｒを捕まえるぞ！

私のチョコを盗みに来るなんて絶対に許せん！」

「いや

別に隊長のチョコじゃないでしょう

お店に売っているチョコですよ」

「いいや

そのチョコを綺麗な女の人が買って

私にプレゼントしてくれるに違いないんだ！

だから、私のチョコと言っても間違いじゃない！」

「いやいや

隊長にそんなチョコをくれる人なんていませんよ

それに、美人が隊長にチョコをくれるはずないでしょう」

「うるさい！

とにかく、今回の作戦を伝えるから

全員ちゃんと準備をするように！」

そして、怪盗Ｒさんと捕まえ隊の両方の準備がおわり

いよいよ、犯行予告の時間になりました

「Ｒさん、本当にこの作戦で行くんですか？」

「なによ！ ガブ！

あなた、私の作戦に文句があるの？

捕まえ隊も今まで以上に力を入れているという情報が入って来たじゃない

私たちはその上を行かないと行けないのよ」

「うーん？

でも、この作戦は…」

「グダグダ言ってないで、

もう予告した時間よ

さぁ、作戦通りにお願いね」

「隊長！

準備が整いました！」

「よーし！

怪盗Ｒめ！

今夜こそ、逮捕してやる」

ピー！

ピー！

建物、西側に侵入者！

繰り返します

建物、西側に侵入者！

「来たな！ 怪盗Ｒ！

全員！ 作戦通りに行動だ！」

「はぁ～

いくら作戦とは言っても

今回の作戦は嫌だなぁ〜」

「ガブさん

仕方ないですよ

Ｒさんの命令は絶対ですからね

それより、さっさとチョコを盗んで帰りましょうよ」

「そうですね

あっちの奥の部屋が怪しいですね

電気も付いているし…

あれっ？

手前の部屋に、人が一人だけ残ってますね」

「パティシエさんみたいですね

バレンタインが近いから

徹夜で仕事をされているんでしょうね

仕事に夢中みたいだから

ほっといても大丈夫でしょう

気づかれない様に奥の部屋に行きましょう」

しかし、奥の部屋に行く途中で

仕事をしているパティシエさんに見つかってしまいました

「残念だったわね

怪盗Ｒ！

またまた、この心姫さんがパティシエにコスプレして

奥の部屋に入るのを監視していたのよ

さらに、奥の部屋の陰には捕まえ隊が全員で待ち構えていたのよ

隊長！ 怪盗Ｒが現れました！」

心姫さんが叫ぶと、

奥の部屋から捕まえ隊が全員出てきました

「とうとう、年貢の納め時だ！

しかし、毎回、毎回

心姫さんのコスプレに引っかかるなんて

怪盗Ｒもこれまでだな！

全員！

怪盗Ｒを捕まえろ！」

捕まえ隊、全員に押さえつけられて

怪盗Ｒさんは身動きが取れなくなってしましました

「うをっ！

しまった！」

「うをっ！って

怪盗Ｒ、女性のくせに男みたいな声を出すんだな？

ん？

んん？」

「隊長さん

ようやく気がつきましたか？

そうです、私は怪盗Ｒの右腕

怪盗ガブです

なんと、怪盗Ｒに変装していたんです！」

「な、な、なんだって！

そんな女装までして我々をだますとは！

くそっ！ 本物の怪盗Ｒはどこに行ったんだ

それより、チョコが危ない！

えーっと

まゆみさん

そこにあるチョコを怪盗Ｒに渡さないように見張っていてください」

「了解です、隊長さん

それじゃ、私が大事に持ってますね

無くさないように大事にしないと…

このまま、外に持って行きますね」

しかし、心姫さんが部屋を出て行くまゆみさんの近くに殿君がいないことに気がつきました

「あれっ？

まゆみさん、殿君は今日は一緒じゃないんですか？」

「えっ？

と、殿君？

あっ、あー、殿君ね

今日は、友達と一緒に飲みに行くっていってたから一緒じゃないの、

そんなずっと一緒にいると息が詰まっちゃうでしょう」

「あなた！

まゆみさんじゃ無いわね！

まゆみさんが、殿君に対してそんな事言うはずは無いわ！

それに、殿君は猫だから、友達と飲み行くっておかしいわ！

あなた！ 怪盗Ｒね！」

「ばれちゃったわね

そうよ、私は怪盗Ｒ！

捕まえ隊のまゆみさんに変装して紛れ混んでいたの

まさか、殿君が

猫だったとは、下調べが足りなかったようね」

「きさま！ 怪盗Ｒ！

本物のまゆみさんはどうした！」

「それは安心して

今頃は、家でゆっくり寝ていると思うわよ

サプリメントの通販に

私がお試しで使って下さいって

栄養剤を送っておいたの

でも、中身は栄養剤じゃなくて、睡眠薬だったけどね

隊長さんが、いつもこき使っているから

丁度良い休日になったんじゃないかしら？

それでは、みなさんごきげんよう！」

「くそっ！

またしても、怪盗Ｒにやられてしまった！」

そして、バレンタイン当日

捕まえ隊事務所に怪盗Ｒからチョコが届きました

「捕まえ隊の皆さんにバレンタインのチョコです

男性の皆さんには義理チョコです

女性の皆さんには友チョコで高級チョコを送りました
特に、まゆみさんにはご迷惑をかけたので、
特別に大きなチョコを送りましたよ

それじゃ、美味しく食べてくださいね

怪盗Ｒ」

一方、怪盗Ｒさん一味では…

「Ｒさん

僕の分のチョコは無いんですか？」

「あらっ、ガブ？

あなた、あの時、自分のチョコは盗まなかったの？

私は、自分の分と捕まえ隊の分しか盗んでないわよ」

「えーっ！

だって、あの時、Ｒさんの身代わりになって

押さえつけられてたから

そこから逃げるだけで一生懸命だったんですよ

しかも、僕の分が無くて捕まえ隊の分があるって変じゃないですか！

チョコくださいよ」

「うるさいわね！

それじゃ、ホラ！」

チャリーン！

「？、？

この10円は何ですか？」

「だから、その10円でチロリンチョコでも買って来なさいよ

それじゃ、私は帰るからね

お疲れ様！」

「そんなぁー

バレンタインのチョコが10円のチロリンチョコだなんて

しかも、自分で買わないといけないの」

おわり