2014/07/29

名探偵Rさん・リターンズ・2(全3回)

今回は、Rさんリターンズの第2話目です
高級ホテルでお菓子が盗まれた事件を推理して行きます

ただし、今回は、新たな登場人物が出てきます
ミステリー好きな方ならみなさん知っている
有名な警察官を意識して書いてみました

まぁ、どこまで近づけたかわかりませんが、
そんな新たな登場人物にも注目して読んでください(笑)



この作品はフィクションです。
実在の人物、団体、事件などにはいっさい
関係ありません

「ハイ、ハイ
どいてどいて
こっから先は関係者以外立ち入り禁止だよ」

ここは、Rさんが宿泊しているホテルです
なんと、昼間に部屋中に置いてあったお菓子が
夜に部屋に帰ってくると全てなくなっているという不思議な事件が起きました

「だから!
ずっと、ピアノのリハーサルをやっていたって言っているじゃありませんか!
さっきから同じ事ばっかり聞かないで下さい!」

お菓子がなくなっている事を知ったRさんは、
すぐに、今回のお手伝いをしている世話(せわ)さんに連絡しました

世話さんは、ホテルのフロントに知らせると
ホテルの警備員と一緒にここにやって来ました

現在、ホテルの警備員から
事情聴取されているRさん達でした

「あんたが、全部食べてしまったんじゃないの?
話を聞くと、めちゃくちゃお菓子好きだって言うじゃないか!
お菓子が無くなったって言って、また同じ物を貰おうとか考えているんじゃないの?」

「だから!
何度も言ってますが、
リハーサルでそんな時間はありませんでした!」

「でもねぇー
部屋には、鍵がかかっていたんでしょう?
泥棒が入って、鍵をかけて出て行くはずないでしょう!」

「いやぁー
鍵は勝手にかかったんだと思いますよ」

気がつくと、一人の男性が近づいて来ました

「うちのかーちゃんにね
いっつも言われるんですよ
あんた!高級ホテルでは
肌身離さずルームキーを持ってないとアカンよ!ってね
こんな高級ホテルだと、オートロックになっていて
ドアを締めるだけで、鍵がかかってしまうんですよね」

「あなたは?」

「あっ!
申し遅れました
警備員の隊長のワタやんです」

「隊長!
ここは大丈夫ですよ
隊長は、他の場所の警備をしててくださいよ」

「そんな事言ってもねぇ
オートロックも分からない人達に任せてダメですからね
でも、持っていた鍵でドアが開いたって事は
部屋を間違えたって事はなさそうですねぇー
あっ!
私の事は気にしないでください
勝手に捜査しますから
でも、さっき言った様に
鍵は勝手にかかるので、その人だけを疑うのはダメですよ
ところで、私も当時の状況が知りたいので、
詳しい話を聞かせて貰ってもいいですか?」

Rさんは、
ワタやんさんに、また同じ事を繰り返し伝えました

「なるほど
夜に帰ってくるとお菓子が消えていたと
あれっ?
でも、Rさんの個人の荷物は残っているみたいですね?」

「あっ!
その荷物は、ホテルの方が
後から部屋に運んで下さったんですよ
だから、荷物もあるので
部屋を間違えたはずはありません!」

「ん!
ちょっと、その運んだ人の話も聞いてみたいですね
Rさん、すいませんが
私は、ホテルのボーイの話を聞いて来ますので」

「ハイ
ところで、ガブはどこに行ったんでしょうか?」

「ガブリエルさん?
ガブリエルさんも向こうで事情聴取されていると思いますよ
それじゃ、私はこれで」

そう言って、ワタやんさんは
ボーイの話を聞きに行きました

「えっ?
お菓子ですか?
それが、良く覚えてないんですよ
荷物を運ぶのは入り口を入って
すぐの所に置くだけですからね
それに、すでにチェックインされているお客様の部屋を
ジロジロ見る訳にも行きませんし……」

ワタやんさんは、ボーイの話を聞き終わると
今度は、Rさんのお手伝いの世話さんに話を聞きに行きました

「それで、世話さんは事件が分かった時には
一階のバーに居られたんですね」

「そうです
最初のビールを飲んでいる時に
Rさんから電話がかかって来て
慌てて部屋に行くと、お菓子が無くなっていたんです」

「その時に、何か気がついた事とかありませんか?」

「いや、別に何も無かったと思いますが」

「そうですか
じゃぁ、最後に
Rさんがリハーサルをされていた時は
あなたは何をされてましたか?」

「リハの最中ですか?
もちろん、Rさんのそばで演奏を聴いてましたよ
それと、
ちょっとだけ、ホテルにお昼ごはんのお弁当を取りに行きましたが
でも、すぐに戻って来たのでお菓子を盗む暇なんてありませんよ
あれだけあったお菓子を全部盗もうと思うと
かなりの時間がかかるでしょうからね」

「そうですか
ありがとうございました
あっ!そうそう!
Rさんの部屋の前に大きな花が飾ってありましたが、
あれはあなたが?」

「そうです
このホテルは部屋数も多くて
部屋がわかりにくいので
目印になる様に頼んだんです」

「なるほど、そうでしたか
それでは、また話を聴く事があるかもしれないので
その時は、よろしくお願いします」

そう言って、ワタやんさんはその場を後にしました
一方、その頃Rさんは……

「まったく、こんな事になるなら
一日中、部屋にガブを閉じ込めていたら良かったわ!」

「えーっ!
そんなの嫌ですよ
それより、何時ものRさんの推理で犯人を捕まえてくださいよ」

「そうしたいけど
今回は、明日のコンサートもあるしそれどころじゃないのよね
それに、ほとんど犯人につながる情報が無くて
今の段階で推理するのは難しいわ
ガブ!
あなた、何か気がついた事とか無いの?」

「気がついた事ですか?
うーん? 特に無いですね〜
僕も事件が起こった時は、リハーサル会場に居ましたからね
あっ!でも今思った事があるんです
今日の昼間に見た、窓からの風景がちょっと違うような……」

「何言ってるの!
昼間と夜で違って見えるのは当たり前でしょう
太陽の光の具合とかで………」

「Rさん?
どうかしましたか?」

「ガブ!
窓からの風景が違うのね!
それならあの方法を使って!
でも、証拠は?
もしかしたら、まだあそこに
トリックの痕跡が残っているかも!」

Rさんは、慌てて部屋から飛び出しました
すると、廊下では、
ワタやんさんがかがみこんで何かを調べていました

「ワタやんさん?
何をされているんですか?
もしかしてワタやんさんもトリックに気がついて」

「いやぁ~
うちのかーちゃんにね
いつも言われるんですよ
部屋の模様替えをすると
カーペットに跡が残って嫌やわーってね」

「やっぱり!
ワタやんさんもトリックに気が付いたんですね
でも、このトリックなら誰でも使えそうだけど……」

「いやぁー
犯人の目星ついてますよ
これから、種明かしをするので
みなさんを集めましょう!」

つづく




10 件のコメント:

心姫 さんのコメント...

私が思うには、
部屋のカギを開けたのは、リハから帰ってきたときが初めて、
ってことになりますよね~。
人は目印があると、それに頼ってしまって、
細かいことに目が届かなくなるんですよね~。
ガブさんが景色の違いに気づいたことは大きいですね。
解決編が楽しみです。

りょうちゃん さんのコメント...

前日のコメントに、ガブさんが慌ててた。。。うしし

いくら慌てん坊でも間違えないわよ
でも、これが故意にだとしたら。。。。ふふふ

なぞは解けたわ!


たぶん。。。。。。。(ーー;)

R

なこ さんのコメント...

う~ん、分かったような?

でも黙っていよう!(笑)

yume さんのコメント...

やはり、部屋が違っているのね?

今の所、最初のコメと同じだけど...どうなるのかなぁ
わくわくしますね~☆



Gabriel. さんのコメント...

心姫さん
さすが、心姫さん!
ばっちり合っていると思います(笑)
でも、完結編も読んでくださいね(笑)

Gabriel. さんのコメント...

りょうちゃんさん
いや、慌ててたら間違えるかも(笑)
実は、鍵の部分は昨日のRさんのコメントを見て付け加えました(笑)

Gabriel. さんのコメント...

なこさん
分かっていても黙っててくださいね(笑)
結構、簡単なのですぐにわかっちゃったかな?

Gabriel. さんのコメント...

yumeさん
ふっ、ふっ、ふっ
さぁ、はたしてどうでしょう?(笑)
完結編を見るとはっきりしますよ(笑)

まゆみさん さんのコメント...

部屋が違っていると思うな~
目印の花の場所を置き換えたら
部屋が違っててもそこだと信じ込むわけだから・・・

Gabriel. さんのコメント...

まゆみさん
そこまで気が付いたなら、
正解は近いですね(笑)
果たして、合っているかな?