ピアノの音色（その3）

さて、ピアノの音色も３話に突入です

詳しい話は
「その１」
「その２」
を読んでください

夢の中で聞いた音程の外れたピアノの音色
女性からある宝物を見せてもらった記憶
その宝物とはいったい何なのか？
気になったら読んでくださいね（笑）



そうだった
教会で出会った女性が宝物と言って見せてくれた物があった

なんだったっけ？
それに、何処にやってしまったんだろう？

机の引き出しの中？
ガラッ！
鉛筆、消しゴム、ノート・・・
・・・
無い
机の引き出しなんて
ちょくちょく開けて見るから
ここに入れていたらすぐに気が付いたはず

それじゃ何処？
タンスの中？
洋服や着替えなどを出して
奥の方まで調べてみても何にも無い

あとは何処にある？
・・・
・・・

「レナったら急にどうしたの？
こんなに散らかしちゃって
後でちゃんと片付けるのよ
要らない物とかあるなら
外の物置の中に入れておきなさい」

物置！

「お母さん！

物置の鍵って何処だった？」

「何よ！

今度は急に大声を出して！

倉庫の鍵だったら

お父さんの寝室の棚の中よ
あっ！先に部屋の中を片付けなさい」

母親の脇をすり抜けて
急いで物置へと向かった

物置の中は
父親が趣味で集めている骨董品があったり
母親が通販などで買った健康器具などが置いてあった
そんな物置の一番奥に

小さなお菓子の箱が置いてあった

蓋を開けて中を覗くと

ビー玉やガラス玉、変な形の石まで入っている

そう、これは私の宝箱

幼い頃に持っていたビー玉などを入れて

倉庫の奥の方に隠していたんだ

そのビー玉などに紛れてそれはあった

銀の十字架のペンダント

十字架のペンダントだが

ファッションとかで身につける

シンプルな十字架とは違って

磔にされたキリストの像も一緒にデザインされている

教会の聖職者達が身につける

本当の意味での十字架だ

完全に思い出した！

ピアノを弾いていた女性はシスターだった

そして、

迷子になっていた私に十字架を渡して

「レナちゃん、ほらちょっと見てごらん

この十字架にお祈りすると願い事が叶うのよ

ほら、握って”お父さんお母さんに会いたい”って願ってごらん

きっと、すぐにお父さんかお母さんが探しに来てくれるわよ

そうそう、歌でも歌いながら待ちましょうか？」

そうして、シスターは私にピアノを聞かせてくれたんだった

しばらくすると

親が私を捜しに来てくれて
十字架を持ったまま親の元へと駆け出してしまい

シスターから預かった十字架を持って来てしまったんだった

大事な宝物って言っていた十字架をそのまま持って来てしまった

夢にシスターが出てきていたのは

この十字架を返して欲しいからなのかもしれない

返しに行かないと！

私は、そう決心して十字架を返しに行く事を決めた

つづく