2019/05/28

ピアノの音色(その1)

久しぶりの小説です
今回の話ですが
これまで書いた話とはまた違った感じになってます

怪盗Rさんや天使のガブリエルは登場しないので
Rさんやガブのファンの方はごめんなさい
(Rさんはともかく、ガブにファンがいるか分かりませんが 笑)

かなり長い話になってしまってて
何回かに分けて公開していきますね

それではどうぞ!




この作品はフィクションです。

実在の人物、団体、事件などにはいっさい
関係ありません



ピアノの音が聞こえる
とっても明るい曲なのに
なぜか、幼い私は泣いている

ピアノがポロンポロンと鳴っている
時折、音程を外したピン、ピンという音が聞こえて
それが面白くて泣いていた私は笑い出してしまった
・・・
・・・
・・・
「、、、ナ、、、、ナ、レナったら」

ん?
夢?

「レナ、起きてよ
もう、授業は終わったわよ
この前、美味しいクレープ屋さんを見つけたんだ
今日の帰りに寄って行かない?」

「えっ?あっ!加奈?
どうしたの?」

「もう、レナったら、ボーっとして
もしかして、またあの夢を見てたの?」

「うん、ごめんね
クレープ屋さん?
いいよ、行こうよ」

そうなのだ
最近、同じ夢ばかり見ている
親友の加奈には時々見る夢として話したが
実際には、毎晩、夜寝る度に見ている
最近では、学校の授業中でも見るようになった
幼い頃の私の夢
なんだろう、何か大事な事を忘れている気がする・・

私は、綾瀬麗奈
高校3年生のいわゆるJKってやつだ
そろそろというか
かなり前には進路を考えないといけない時期なのだが
特にやりたい事もないし
なんとなく大学にでも行こうかな?
って感じで何も考えてない

ただ、気になるのは
この所、頻繁に見る夢の事だ
どうして、私は泣いているのか?
どうして、ピアノの音程が外れているのか?
それ以外にも何か大事な事がある気がする

「ちょっと、レナ、どうしたの?
さっきの夢の事なの?
確かに、夢には何かしら意味があるって聞いた事あるけど
あまり気にすると身体に悪いよ
美味しいクレープでも食べたら忘れちゃうわよ
おっと!
ここの角を曲がった方が近いんだよね」

加奈が角を曲がり
それに続いて私も角を曲がると
そこには、石畳みの道に、レンガ造りの建物
一瞬、中世のヨーロッパに迷い込んだ様な雰囲気に包まれた

「えっ?これっていったい?」

「あれっ? レナ知らなかったの?
ここは石畳みロードって言う場所で
なんか
市長か誰か偉い人が
地域活性化でヨーロッパの街並みを再現しようとしたみたいだよ
でも、予算が足りなくて
この一角だけがヨーロッパ風になったって話だよ
役人とかがやる事ってこんなもんだよね
結局、向こうの大通りの大型スーパーにしか行かないもんね
あそこには教会風の建物も建っているんだけどね」

「教会?」
その教会風の建物を見た瞬間に
私の頭の中で何かが弾けた

そうだ!
ピアノの音色は教会のピアノだ!
そして、優しそうな女性がピアノを奏でている
その女性が私に話しかける

どうして泣いているの?
迷子にでもなったのかな?
名前はなんて言うの?
《レナ》って言うの良い名前を貰ったわね
楽しいピアノの曲を弾いてあげるから泣きやんでね
ポロンポロン
ポロン、ピン、ポロンポロン、ピン
やはり音程が変な部分が出て来て
ついつい笑ってしまう

ピアノを弾いている女性が
ごめんね、レナちゃん
変な音がするでしょう
このピアノも大事な宝物だから大事にしてるの
調律とか修理もしたいんだけど
珍しいピアノらしくて難しいみたいなの

ポロンポロン、ピン、ピン……

「レナ!レナったら
またボーッとして、早く行こうよ」

「えっ? あっ!ごめん加奈
用事を思い出しちゃった
今日は帰るね、ほんとごめん」

「あっ! レナ!
クレープ屋さんはすぐそこなのに
ちょっと!レナったら!」

つづく


4 件のコメント:

蓮見 さんのコメント...

引き込まれてしまいました。
続き楽しみです♪

yume さんのコメント...

久々の物語ですねヽ(・∀・)
レナちゃんの 今後の展開…???
楽しみです(*^▽^*)笑

Gabriel. さんのコメント...

蓮見さん
これまでとはちょっと変わった感じで書いてみました
意外と長編になったのでもうしばらくお付き合いくださいね(笑)

Gabriel. さんのコメント...

yumeさん
かなり前からアイデアは出ていたんですが
記事を書くのが遅くて時間がかかってしまいました(笑)
一通り書き終わったので
チェックしながら更新して行きます