2019/06/09

ピアノの音色(その13)

さぁ!
ピアノの音色も「第13話」です

話もそろそろ終盤に向かっていて
残りも少なくなって来ました

ここで色々と書いても仕方が無いので(笑)
早速、どうぞ!




中部イタリアの
フィレンツェとピサに行って教会を捜したが
そこでも見つける事が出来ず
ローマに戻って来て
ローマに目的の教会がある可能性が高い
ということは分かったが
気が付くとイタリアに滞在できる日数が少なくなっていた

最終日は、午後の便で日本に戻らなければいけないので
実質、探せるのは2日だけだった

残りの日は
これまで探していないローマ郊外の
古代ローマ時代の道”アッピア旧街道”周辺を探したり
旧市街のはずれにある教会などを捜したが
郊外にある為に移動に時間がかかってしまい
すぐに時間が経ってしまい
最後まで夢の中の教会を見つける事は出来なかった

イタリア最後の夜は、エリザ達が豪華な食事など
日本に帰る前に色々と振舞ってくれたが
私は、心から喜ぶ事は出来なかった

ただ、今回の捜索では見つける事が出来なかったが
完全に諦めた訳ではなかった
必ず、また戻って来て十字架を返すと心に決めた

そして
とうとう、日本に帰る日が来てしまった
今日の夕方の便で日本に帰る事になってしまった

起きて、食堂に行くと
エリザパパのアンドレアが
朝のエスプレッソとパンを準備しながら話しかけてくれた

「Buongiorno,rena
Finalmente giorno per tornare in Giapponese.
Vorrei poter essere mia figia con Elisaabetta.」

約1週間イタリアで生活をしてきて
イタリア語を話す事は出来ないが
ヒヤリングに関してはなんとなく理解できるようになっていた

おそらく
「レナおはよう
とうとう、日本に帰る日になっちまったな
このまま、エリザベッタと一緒に俺の娘になってくれても良いんだけどな」
って感じの事を言ってくれているはずだ

友人の紹介とはいえ
見ず知らずの日本人をホームステイさせてくれて
こんな言葉までかけてくれるなんて
本当にありがたかった

ふと気が付くと
いつも朝食の時にいるエリザの姿が見えなかった

「あれっ?
そのエリザはどうしたの?
今日は日曜日だから学校は無いはずだけど?」

なんとか、片言のイタリア語で聞いてみると
エリザは日曜日のミサに出かけたそうだ

私は一週間前の日曜日の午後にイタリアに到着したので
エリザが毎週日曜日のミサに出ている事は知らなかった

エリザパパが、
帰りも空港まで送ってくれるというので
荷物の整理などをしていると
そこにエリザが慌てて帰って来た

「大変!大変!レナ!
レナ!居る?」

「エリザ!そんなに慌ててどうしたの?

「大変よ!レナ!
あなたが探している教会が見つかったかも!」

「え~~っ!」

エリザの話によると
毎週ミサに参加している教会が
私の探している教会かもしれないらしかった

その教会にはピアノが置いてあるのだが
特に壊れた感じでもなく
比較的新しいピアノで
私が最初に壊れたピアノの話をしてしまったので
まさか、いつも行っている教会が探している教会だとは思わなかったらしい

エリザが少しでも教会を探す手がかりになればと思い
シスターに壊れたピアノを知らないか?
と聞いた所
昔、そこの教会に置いてあったそうだ
早速、私もその教会に行って話を聞く事にした

しかし、エリザが通っている教会は
ローマでも郊外に位置していて
周りには日本人が訪れる様な観光名所は無いはずなのだが
どうして、こんな場所で幼い私が居たのだろうか?

その事をエリザに問いかけると
どうやら、教会の近くにホテルがあるらしいのだが
そこに団体の観光客が宿泊する事が多いらしい

今まで、観光で周ったと思われる場所を重点的に探していたが
宿泊したホテルまでは気が付かなかった
おそらく、親と散歩などに出かけた時に
私がはぐれてしまい、教会に迷い込んだのだろう

エリザとそんな話をしながら急いでいると
レンガ色の教会が見えてきた

つづく

2 件のコメント:

yume さんのコメント...

いよいよ物語も終盤なのですね✩︎⡱
まさか、エリザの通っていた教会だったとは
…灯台下暗しだったのですね〜♪笑
レナは、大切な十字架を渡す事が
出来るといいですねヽ(・∀・)


Gabriel. さんのコメント...

yumeさん
ようやく、教会が見つかりました(笑)
ほぼ、諦めていましたが、
ほんと、エリザの通う教会なんて驚きですよね(笑)