2019/06/11

ピアノの音色(エピローグ)

これまで書いてきた「ピアノの音色」ですが
とうとう、今回で終了です

もし、まだ読んでないって方は
第1話」から読んでくださいね

今回はイタリアから帰って来て
しばらく経ってからの話です
それではどうぞ!


シスターマリアとの別れを惜しみつつ
バタバタと日本に戻って来た私だったが
数週間も過ぎると夏休みも終わり
通常の学生生活が始まっていた

そんな中、イタリアのエリザから手紙が届いた

【レナ、元気にしてる?
レナが帰ってから数週間しか経ってないけど
もう、かなり年月が過ぎた気がしているわ
私のパパやママもまた会いたがっているから
必ず、イタリアに来てね

ところで、伝えにくい事だけど
シスターマリアが天に召されました
レナと会った日は元気そうにしていたけど
かなり無理をしていたみたい

でも、レナに会えた事を本当に喜んでいたみたいで
これで、心残りなく主の元に旅立つ事が出来るって言われていたそうよ
そんなシスターマリアから最後にレナに手紙を預かっていたの
同封しているから読んでください

それじゃ、レナ!
また、近いうちに会いましょう!絶対に約束よ
                     エリザより】

【レナへ
この手紙を読んでいるって事は
私は神の元へ旅立った後だと思います
最後にあなたに会えた事は
主から私への最後のプレゼントだったのかもしれません
会えただけじゃなく、形見の十字架まで戻って来るなんて
本当に夢のような日々でした
本当に会いに来てくれてありがとう

最後に私のお願いを聞いてくれる?
私は教会に一生を捧げました
その事に関しては後悔はしていません
ただ、あなたみたいな可愛い娘がいたら良いなぁ~
って思う事もありました
私のわがままかもしれませんが
レナの事を娘と思っても良いですか?
レナと実際に過ごした時間は数時間だけですが
あの時話した運命を感じています
遠くから会いに来てくれた娘に会えて
本当に幸せでした

レナには迷惑かもしれないけど
もう一つだけお願いがあるの
せっかく届けてくれた十字架のペンダントだけど
レナに貰って欲しいと思っているの
手紙と一緒に封筒の中に入れておくので
良かったら貰ってください

最後に、何度も言うけど
レナに会えて幸せでした
本当にありがとう
                  マリアより】


イタリアに行く前までは
将来の夢ややりたい事など無く
親や担任の先生に進路を早く決めろと言われ続けていたが
今ではやりたい事が出来た

イタリアに行く事はもちろんだが
調律師になって
あのピアノを修理して調律しなおす事だ

ただ、悩んでいる事もあって
調律する際に音程をちゃんと合わせたい気持ちもあれば
あの時の音色みたいに外れた音があった方が良いかな?
とも考えている
その私の胸ではキラリとあの十字架が光っていた

おわり


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

以上、ピアノの音色でした

本当は、レナにはローマやフィレンツェだけじゃなく
イタリア全土を舞台に飛び回って欲しかったんですが
話が長くなるし、内容も薄くなる気がしたので
これくらいが丁度良かったのかもしれませんね(笑)

最後のシスターアガタやシスターマリアが居た教会以外は
実際にイタリアに存在する教会をモチーフにしています
今度、その教会たちを紹介出来たら良いかな?って考えてます

あと、ピアノの音色って題名ですが
ほとんどピアノは出てこないし
教会で使っているのはピアノよりオルガンの方が多い気がしましたが
その辺はあまり突っ込まないでくださいね(笑)

レナの話はこれでおしまいですが
また、何か思いついたら書きたいと思います

長い間お付き合いくださりありがとうございました

6 件のコメント:

蓮見 さんのコメント...

う~ん。ちょっとほろり。。
時を超え、この先も繋がるであろう余韻がうん。よかったです

はじまりは夢の記憶だけというむちゃ設定でしたもんね(しかも異国で!)
ツッコミはテンポの良さで飛んじゃいました笑
イタリア滞在ならでは描写も面白かったです♪

yume さんのコメント...

ピアノの音&イタリアの色(景色)…niceな題名で
最終話まで 楽しませて頂きました〜♪

三人の出会いは宝物でしたね✩︎⡱
…マリアからの お手紙は感動です…♡︎ʾʾ

ガブさん、読み易かったです(*^▽^*)
また、書いて下さいね♪

りょうちゃん さんのコメント...

3回くらいに分けて読んじゃった(笑)

そう。。オルガンよねとは思ったけど
思いに蓋をして読んでました(^^)

不思議〜な感覚が
ちょっと赤川次郎の小説っぽかったわ
私のお気に入りの作家さんの一人です

Gabriel. さんのコメント...

蓮見さん
確かに、最初は夢の中に出て来た教会を捜すという
かなりめちゃくちゃな話ですよね(笑)
これまで自分が書いた話では
亡くなる人って居なかったんですが
今回は仕方が無かったのでこんな風になりましたが
想いが繋がっていく話が書けてよかったです

Gabriel. さんのコメント...

yumeさん
最後まで読んでくださりありがとうございます
レナはきっとまたイタリアに行って
ピアノを直してくれると思います(笑)
また、何か思いついたら話を書きたいと思います

Gabriel. さんのコメント...

りょうちゃんさん
やっぱり、教会にあるのはオルガンですよね
途中まで書いて気が付いたんですが
最初から書き直さないといけないのでそのままにしちゃいました(笑)

自分も赤川次郎さんは好きなので
影響を受けていたのかな?(笑)