2019/06/03

ピアノの音色(その7)

ようやく、今回の「ピアノの音色」も
後半に突入しました
長かったですね~(笑)

これからが話の本題みたいな感じで
舞台もイタリアへと移りました

前半部分が気になる方は
これまでの記事を読んでくださいね

それでは、後半です
どうぞ!




何度も同じ夢を見て
シスターから大事な十字架を預かった事を思い出した

最初は、どこの国のどこの街なのかわからなかったが
調べ続けて、イタリアだという事が分かった

親には反対されたが
なんとか説得をして
イタリアへ行く事になった
しかし、期限は1週間
その間になんとか教会とシスターを探さなければいけない
そうして、イタリアへと到着したのだった

ここがイタリアかぁ〜
小さい頃に一度来たはずだけど
その時の事はほとんど覚えてないので
今回が初上陸みたいな感じだ
やっぱり、空気が日本と違う気がする

イタリアはローマのウィウミチーノ空港に到着したのだが
父親の知り合いのイタリアンレストランのシェフによると
空港までシェフの友達が迎えに来てくれているそうだ

しかし、ガイドブックによると
空港では置き引きとか軽犯罪も多いし
白タクなど違法な客引きもあるらしい
さらには、女の子って事で
ナンパにも気を付けた方が良いって書いてあった

「チャオ、ドベ・アンダータ?
ヴォィ、タクシー?」

そんな心配をしていたら
早速声をかけられてしまった

事前に簡単なイタリア語だけは覚えておいたが
どうやら、
「これからどこに行くの?
タクシーは必要?」
って感じの事を言っているらしい
もちろん、無視して歩き出したが
何度も同じ様に声をかけられてしまった

いい加減にうんざりしていたが
シェフの友達とやらが見つからないので
仕方なく、空港のはじの方で待つ事になってしまった

しばらく待っていると
また、男性が声をかけて来た
しかも、今度はドップリと太った
お腹が出ている中年男性だった

「チャオ!セイ・ジャポネーゼ?
ピアチェーレ!」

イタリア人ってカッコいいイケメンばっかりかと思っていたが
やっぱり、中にはこんなおじさんもいるんだなぁ〜
と男性を眺めていると
さらに、話しかけて来た

「……アミーコ………
ジャポネ………イタリアーノ……」

ずっと話しかけているが
そもそも、簡単な言葉を覚えたと言っても一夜漬けみたいなイタリア後だし
ヒヤリングの方はさっぱりなので何を言っているのか全然分からなかった

あまりにもしつこいので
その場を離れようとすると
遠くの方から声が聞こえて来た

「パパ!……トロバータ?
……
……
はじめまして、あなたがレナね」

えっ?日本語?
なんと
おじさんの後ろの方からやって来て
日本語を話したのは
私と同年代の女の子だった

「ごめんなさい、遅くなっちゃって
見つからなかったからパパと手分けして探していたの
よかった見つかって」

急なイタリア人の女の子の登場と
さらに、丁寧な日本語に驚いてしまって
しばらく声が出せなかった
ようやく落ち着いて自己紹介が出来た

「えっ?ああっ!
はじめまして、レナです
日本から来ました」

「私はエリザベッタ
こっちがパパでアンドレアよ」

ずっとナンパをされていると思っていたら
なんと!この人が日本のシェフの友達らしい
すぐに気づけなくて申し訳なかったが
それより、エリザベッタの日本語の方が気になった

どうやら、日本に興味があって
数年前から日本語勉強をしているそうだ
言葉の壁の心配があったが
どうやら大丈夫そうだ

「さぁ、行きましょう!
向こうにパパの車が停めてあるの
そうそう、私エリザベッタって名前だけど
エリザって呼んでね
そっちが簡単だし、みんなもそう呼ぶから」

遠くの方からエリザの父親が呼びかけた
「エリザベッタ!ヴェニ!」

「みんなエリザって呼んでくれるんだけど
パパだけは何度言っても
エリザベッタって呼ぶのよ」

こうして、
シェフの知り合いにも会えて
ようやく、本格的な教会探しが始まった

つづく


2 件のコメント:

yume さんのコメント...

いよいよ イタリア編ですね…
教会も、シスターとの再会も?
ピアノの音色の秘密?…わくわくします✩︎⡱

Gabriel. さんのコメント...

yumeさん
やっと、イタリアに到着しました(笑)
とは言え、イタリアも広いですからね~
無事に見つかるのでしょうか?(笑)